日本国有鉄道公示第350号
自動車の貸切旅客に対する運賃及び取扱方を次のように定める。
昭和28年10月31日 日本国有鉄道総裁 長崎惣之助
自動車の貸切旅客に対する運賃及び取扱方
旅客があらかじめその人員、行程その他輸送計画に必要な事項を申し出た場合は、次の各項によつて自動車の貸切の取扱をする。
1 貸切扱の種別貸切扱は、キロ制と貸切制(時間制、日貸制)の2種とし、次の各号の1に該当する場合は、貸切制とすることができる。(1) 旅行の内容が複雑又は不定であるとき。(2) 申込者から特に貸切制によりたい旨の申出があるとき。(3) その他あらかじめキロ制によることが困難であるとき。
2 貸切旅客運賃及びその計算方 貸切旅客運賃は、地帯別、シーズン、シーズンオフ別に次の各号によつて計算する。(1) キロ制運賃 キロ制による場合の運賃は、旅客の乗車する発着区間の走行キロに基いて、1車ごとに別表貸切旅客運賃表によつて計算する。 前項の場合、キロ程により賃率が異なるときは、旅客の乗車する発着区間のキロ程をそのキロ程にしたがつて区分し、これを各その賃率に乗じた額を合計する。(2) 貸切制運賃 貸切制による場合の運賃は、貸切契約時間及び旅客の乗車する発着区間の走行キロに基いて、1車ごとに次の各号により別表貸切旅客運賃表によつて計算する。イ 時間制は、1時間又は走行キロ10キロメートルとし、数時間に及ぶ場合は、時間制運賃の累算とする。但し、時間制運賃の累算額よりも日貸制運賃が低額となる場合は、日貸制運賃による。ロ 前号本文の場合、貸切時間に30分までのは数を生じた場合の当該は数時分に対する運賃は、時間制運賃の5割とする。ハ 日貸制は、1日の仕業時間8時間又は走行キロ80キロメートルとする。但し、仕業時間8時間をこえる場合は、日貸制運賃と時間制運賃との併算とする。ニ 貸切制運賃による場合、その走行キロが当該貸切契約時間1時間につき10キロメートルの割合をこえる場合は、その超過走行キロに対し、所定のキロ制基本運賃の5割を加算する。(別表 貸切旅客運賃表は、内容省略、以下同じ。)
3 運賃計算キロ程及び貸切契約時間運賃を計算する場合における走行キロ及び貸切契約時間は、旅客の乗車する発着区間に対し計算するものとし、1キロメートル未満のは数は、1キロメートルに切り上げる。
4 貸切旅客運賃の割引 次の各号に掲げる旅客に対しては、右欄の割引をする。(1) 指定学校の学生・生徒又は児童(幼児を含む。)と、その付添人及び教職員(学校において嘱託している医師及び看護婦を含む。)によつて構成された団体で、その学校の教職員が引卒するもの。2割引(2) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)による身体障害者手帳所持者の団体及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)による保育所等の養護施設に入所中の児童の団体で、責任ある代表者の引卒するもの。3割引
5 空車回送料 往路又は復路を空車で回送する場合は、所定の回送キロをこえるキロ程に対し、別表貸切旅客運賃表に定める空車回送料を収受する。
6 待機料 次の各号の1に該当する場合は、別表貸切旅客運賃表に定める待機料を収受する。(1) キロ制運賃を適用する場合で、その走行キロ10キロメートルにつき所要時間1時間の割合をこえるとき。(2) 宿泊等のため2日にわたる場合。
7 申込取消の場合の回送料及び留置料 自動車の回送に着手した後、申込者の責によつてその申込を取り消し、又は運送日時を変更した場合は、次に掲げる回送料及び留置料を収受する。(1) 回送料 車庫から申込者の指定した場所までの往復距離に対し、別表貸切旅客運賃表に定めるキロ制基本運賃に相当する額(2) 留置料 使用自動車が申込者の指定した場所に到着後、申込の取り消し、又は申込の変更の通知があるまでの時間に対し、1車1時間までごとに別表貸切旅客運賃表に定める待機料に相当する額
8 運賃及び料金のは数処理 運賃又は料金を計算する場合において、1車ごとに計算した金額の最後に生じた10円未満のは数は、各別に10円に切り上げる。
9 最低運賃 貸切旅客運賃の最低額は、別表貸切旅客運賃表に定のあるものは、1車ごとにその額を最低額とする。
10 自動車貸切乗車券の様式 別に掲げる。
11 その他の取扱については、旅客運送に関する一般の規定を準用する。
附 則
1 この公示は、昭和28年11月15日から施行する。
2 自動車の貸切旅客に対する運賃及び取扱方(昭和26年10月日本国有鉄道公示第247号)は、廃止する。
様式(省略)