日本国有鉄道公示第165号
建設工事請負申込者心得を次のように定める。
昭和37年4月20日 日本国有鉄道総裁 十河 信二
建設工事請負申込者心得
(目的)
第1条 この心得は、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)が締結する土木、建築、電気及び機器の工事並びにこれらに附帯する工事(以下これらを「工事」という。)に関する請負契約について、契約の申込者(以下「申込者」という。)及び契約の相手方があらかじめ知る必要のある事項及び基本的な契約条項を公示することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この心得におけるおもな用語の意義は、次の通りとする。
(1) 「契約担当役」とは、日本国有鉄道総裁を代理し、契約の締結、履行、解除その他契約に関する一切の事項を担当する国鉄の職員をいう。
(2) 「公開競争契約」とは、契約担当役が、契約の締結に必要な事項を公告し、不特定の申込者をして、その申込価格その他必要な事項を第13条第1項第1号に定める工事請負入札書に記載して提出する方法により申込をさせ、それらの者のうち、予定価格以下で最低の価格による申込者を落札者とし、その者と契約を締結する契約方式をいう。
(3) 「指名競争契約」とは、契約担当役が、契約の締結に必要な事項を特定の多数者に通知し、公開競争契約の方法に準じて契約を締結する契約方式をいう。
(4) 「随意契約」とは、契約担当役が、価格競争の方式によらないで、適当と認める特定の者と契約を締結する契約方式をいう。
(申込者の資格)
2 指名競争契約及び随意契約に係る相手方に必要な資格については、前項の定を準用する。
3 工事の請負を希望する者は、資格の確認申請書その他の関係書類を国鉄に提出し、あらかじめ、その確認を受けるものとする。
4 前項の定による確認申請書その他の関係書類に関し必要な事項は、別に公告する。
(公告及び通知)
第4条 公開競争契約による入札の公告は、入札期日の前日から起算して次の各号に掲げる日前までに、特定の場所に掲示して行う。
(1) 予定価格が5,000万円以上の場合は、15日前まで
(2) 予定価格が500万円以上5,000万円未満の場合は、10日前まで
(3) 予定価格が50万円をこえ500万円未満の場合は、3日前まで
(4) 予定価格が50万円以下の場合は、 2日前まで
2 前項の公告は、同項の定にかかわらず、次の各号の1に該当する場合は、同項第1号の公告期日は10日前までに、同項第2号の公告期日は5日前までに短縮することがある。
(1) 急を要する場合
(2) 申込者がない場合、落札者がない場合又は落札者が契約締結の手続をしない場合であつて、再公告をするとき。
3 指名競争契約による入札の通知又は随意契約による見積照会に関する通知は、前各項の定に準じて行う。
(注) 公告は、特定の場所に掲示する外、これを鉄道公報、鉄道管理局報、新聞その他の刊行物に掲載する場合がある。この場合、掲載期日は、第1項又は第2項に定める公告期日に遅れることがある。
第5条 前条の定による公告及び通知(以下これらを「公告等」という。)は、次の各号に掲げる事項のうち、必要なものについて行う。
(1) 工事の目的、図面、示方書その他契約の内容に関する事項
(2) 建設工事請負申込者心得その他契約条項の閲覧場所
(3) 入札書又は見積書の提出並びに開札の執行の日時及び場所
(4) 入札保証金に関する事項
(5) 契約保証金に関する事項
(6) 前金払に関する事項
(7) 工事現場の説明又は工事内容の説明に関する事項
(8) 総価又は単価による競争の区別
(9) その他契約の締結に必要な事項(入札保証金の納付)
第6条 申込者は、入札に参加するときは、現金(銀行振出小切手、銀行支払保証小切手、郵便為替証書及び郵便振替貯金払出証書を含む。以下同じ。)又は次の各号の1に該当する無記名債券(以下「債券」という。)をもつて、入札保証金を国鉄に納付するものとする。但し、公告等においてこれを不要と明示された場合は、その納付を必要としない。
(1) 鉄道債券
(2) 国債
(3) 電信電話債券(政府保証のものに限る。)
(4) 興業債券
(5) 長期信用債券
(6) 日本不動産債券
(7) 商工債券
(8) 農林債券
(注) 第4号から第8号までに掲げる債券は、利付債及び割引債の別を問わない。
2 入札保証金の額は、公告等において示された一定の率を申込者の入札価格に乗じて得た金額又は一定の金額とする。但し、債券をもつて入札保証金を納付する場合は、本文の金額を額面金額により計算し、その2割増し(鉄道債券の場合は、割増しを不要とする。)をした金額とする。
3 前項の一定の率は、100分の5を下らないものとする。
4 申込者は、入札保証金の納付に当つては、第2項の定による入札保証金の額をこえる金額を納付することができる。
5 申込者は、利札付債券をもつて入札保証金を納付する場合は、その納付後において利払期日の到来する利札の欠けているものを納付することができない。
6 申込者は、利札付債券をもつて入札保証金を納付した場合は、その納付後利払期日の到来した利札については、その交付を請求することができる。
7 申込者は、現金をもつて納付した入札保証金については、これを納付した日からその返還を受ける日までの期間に対する利息の支払を、国鉄に請求することができない。
第7条 申込者は、前条の定により入札保証金を納付する場合は、現金によるときは入札保証金納付書(様式第1号の甲)を、債券によるときは有価証券提出書(様式第2号の甲)をそれぞれの保証金に添えて、公告等において示された箇所の出納役(以下「出納役」という。)に提出するものとする。
2 前項の定により入札保証金を出納役が受領した場合は、それが現金によるときは入札保証金預り証明書(様式第1号の乙)及び入札保証金預り証(様式第1号の丙)を、それが債券によるときは担保預り証明書(様式第2号の丙)及び担保預り証(様式第2号の丁)をそれぞれ出納役からその申込者に交付する。
第8条 申込者は、第6条第1項の定により現金又は債券をもつて入札保証金を納付することに代え、次の各号の1に該当するものを国鉄に提供することができる。
(1) 債券が登録債であるときは、登録機関の質権設定済の証書
(2) 国鉄が受入れを認めている保険会社の発行する履行保証保険証券
(3) 銀行の連帯保証書
(4) 鉄道債券預り証(国鉄が、根担保として、あらかじめ、一括寄託を受けた鉄道債券(現物債の場合に限る。)又は提供を受けた日本国有鉄道総裁を質権者とする鉄道債券(登録債の場合に限る。)の質権設定済の証書に基き、別に定めるところにより発行するものをいう。以下同じ。)
2 前項各号に定めるものを提供する手続については、次の各号に定める方法による。
(1) 登録債の質権設定済の証書による場合は、申込者は質権設定済の証書に、国鉄が質権を行使する際に必要とする委任状を添附して出納役に提出し、出納役は、これと引換に担保預り証及び担保預り証明書を申込者に交付する。
(2) 履行保証保険証券による場合は、申込者は、履行保証保険証券を出納役に提出し、出納役は、これと引換に保険証券受領証及び保険証券受領証明書を申込者に交付する。
(3) 銀行の連帯保証書による場合は、申込者は、連帯保証書の正本及び写を契約担当役に提出する。
(4) 鉄道債券預り証による場合は、申込者は、鉄道債券預り証を出納役に提出し、出納役は、これと引換に担保預り証及び担保預り証明書を申込者に交付する。
(注) 登録債の質権設定の場合の質権者は、日本国有鉄道総裁とし、質権設定金額は第6条第2項但書の定による。
(再度の入札に対する保証金)
第9条 申込者は、第21条に定める再度の入札に対する入札保証金については、初度の入札に対する入札保証金を再度の入札に対する入札保証金の全部又は一部の納付にあてることができる。
(入札保証金の返還)
第10条 申込者は、落札者となつた場合は、第23条に定める契約保証金の納付を必要とする契約にあつてはその納付後、契約保証金の納付を必要としない契約にあつては契約書を取りかわした後において、入札保証金の返還を契約担当役に請求することができる。
2 申込者は、落札者とならなかつた場合は、開札手続の終了後において、入札保証金の返還を契約担当役に請求することができる。
3 申込者は、入札保証金の返還請求を行う場合は、次の各号に定める手続による。
(1) 申込者が、現金をもつて納付したときは、契約担当役から出納役あての担保返還請求書(様式第3号)の交付を受け、これに入札保証金預り証を添附して出納役に提出する。
(2) 申込者が、債券をもつて納付し、又は質権設定済の証書若しくは鉄道債券預り証を提供したときは、契約担当役から、出納役あての担保返還請求書の交付を受け、これに担保預り証を添附して出納役に提出する。
4 落札者は、契約保証金の納付を必要とするときは、入札保証金の返還を請求することに代えて、入札保証金を契約保証金の全部又は一部の納付にあてることを出納役に請求することができる。
(入札保証金の取得)
第11条 次の各号の1に該当する場合は、その落札者又は申込者の入札保証金は、国鉄に帰属するものとする。但し、第6条第4項の定により、所定の額をこえた金額をもつて納付されている入札保証金については、その超過金額を返還する。
(1) 落札者が、契約締結の手続をしない場合
(2) 申込者の申込の要素に錯誤があつたため、その申込者の入札が無効となつた場合であつて、その錯誤がその者の重大な過失に基くとき。
(3) 申込者が、連合して不当に価格をせり上げ、又は他人の競争の加入を妨げ、若しくは係員の職務の執行を妨害したため、その申込者の入札が無効となつた場合
(4) 申込者が、著しく不当な価格をもつて入札し、他人の正常な競争を妨げたため、その申込者の入札が無効となつた場合
(5) 予定価格以下で最低の価格による同価の入札(以下「同価入札」という。)となつた申込者全員が抽せんに応じないため、それらの申込者の入札が無効となつた場合
(契約の申込)
第12条 入札又は見積に参加する者は、入札又は見積前に示方書、図面、契約書案及び工事現場等を十分調査研究し、又、国鉄の工事関係規程及び労働基準法(昭和22年法律第49号)、職業安定法(昭和22年法律第141号)、建設業法(昭和24年法律第100号)等を心得て、入札し、又は見積をしなければならない。
(注) 国鉄の工事関係規程のおもなものは、次の通りである。
日本国有鉄道建設規程(昭和4年鉄道省令第2号)
日本国有鉄道運転規則(昭和30年運輸省令第5号)
軌道整備心得(昭和18年4月達第278号)
運転取扱心得(昭和23年8月達第414号)
信号保安装置保守規程(昭和30年8月総裁達第415号)
鉄道信号設備心得(昭和22年2月達第61号)
電気工作物設計及び施行基準(配電線路)(昭和33年1月29日公報通報)
電気工作物施設基準(電車線路)及び電気工作物設計基準(電車線路)(昭和36年12月27日公報通報)
通信線路施設心得(大正11年9月達第675号)
第13条 申込者は、公告等において示された日時に、入札執行場所に出頭し、次の各号に定める方法によつて契約の申込をするものとする。
(1) 入札の場合にあつては、入札価格その他の必要事項を記載した工事請負入札書(様式第4号。以下「入札書」という。)を封筒(様式第5号)に入れて封かんし、入札保証金を納付したことを証明する書類(入札保証金の納付を必要とする場合に限る。)を添え、係員の指示により入札箱に投入する。
(2) 随意契約の場合にあつては、見積価格その他の必要事項を記載した見積書(様式第4号に準ずる。)を、前号に定める封筒に入れて封かんし、係員の指示により提出する。
2 申込者は、前項第1号の定にかかわらず、公告等において郵便又は使者によつて契約の申込をすることが認められているときは、同項に定める契約の申込のために必要な書類を入れた封筒に返信料(使者による場合を除く。)を添え、これを「〇年〇月〇日(〇時)執行 公告(又は通知)番号〇〇入札書在中」と表示した別の封筒に封入して送付することができる。この場合、郵送によるときは、配達証明郵便により、入札書提出期日の前日までに、提出箇所の郵便物を受理する係に到達するように送付するものとする。
3 申込者は、公告等において請負金額内訳書、原価計算書その他の参考資料の提出を求められたときは、これを提出するものとする。
(注1) 契約の申込については、電報又は電話によることを認めない。
(注2) 「入札保証金を納付したことを証明する書類」とは、入札保証金預り証明書、担保預り証明書、保険証券受領証明書又は銀行の連帯保証書をいう。
(注3) 「提出箇所の郵便物を受理する係」とは、たとえば、鉄道管理局にあつては、総務部文書課(文書受付)をいう。
第14条 申込者は、契約の申込(郵便又は使者による申込を除く。)をする場合は、入札書又は見積書のなつ印に使用した自己の印章を持参するものとする。但し、代理人により契約の申込をする場合は、その代理人は、申込者の委任状とともに自己の印章を持参するものとする。
2 前項に定める要件を具備しない申込者又はその代理人は、再度の入札に参加する権利を放棄したものとみなすことがある。
(入札書又は見積書の引換等の禁止)
第15条 申込者は、いつたん提出した入札書又は見積書の引換、変更又は取消をすることができない。
(他の申込者の代理禁止)
第16条 申込者又はその代理人は、契約の申込に際し、同一事項について同時に他の申込者の代理をすることはできない。
(開札)
第17条 入札の方法により、契約の申込が行われたときは、公告等に示した日時に、入札執行場所において、契約担当役が、申込者の面前において開札する。
(入札等の無効)
第18条 次の各号の1に該当する場合は、その申込者の入札(第8号の場合は、それぞれの入札)又は見積を無効とする。
(1) 申込者に第3条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)に定める資格がないと認めた場合
(2) 申込者の申込の要素に錯誤があると認めた場合
(3) 郵便により送付された入札書が、所定の期日までに到達しない場合又は郵便若しくは使者により送付された入札書か、その封筒の表記によりその入札の入札書であることを確認しがたい場合
(4) 入札保証金の納付の事実が不明な場合又は入札保証金か所定の金額に達しない場合
(5) 入札書の記載事項が不明な場合又は入札書に記名なつ印がない場合
(6) 申込者が、連合して不当に価格をせり上げ、又は他人の競争の加入を妨げ、若しくは係員の職務の執行を妨害した場合
(7) 申込者が、著しく不当な価格をもつて入札し、他人の正常な競争を妨げた場合
(8) 同一人が、同一事項の入札について、2通以上の入札書を提出した場合又は申込者若しくはその代理人が、他の申込者の代理人として入札書を提出した場合
(9) 同価入札となつた申込者全員が抽せんに応じない場合
(10) 前各号に掲げる場合の外、入札に必要な条件を具備しない場合
2 前項第1号から第8号まで又は同項第10号の定に該当する入札については、契約担当役が、開札に参加した申込者の面前で理由を明示して、その無効である旨を知らせる。
(入札の有効)
第19条 入札の総価をもつて落札者を定める場合は、その内訳に誤りがあつても入札の効力を妨げない。入札の単価をもつて落札者を定める場合で、その総価に誤りがあつたときも、また同様とする。
(落札者等の決定)
第20条 競争契約の場合は、開札の結果、予定価格以下で最低の価格による入札書を提出した申込者を落札者とする。
2 開札した場合において、同価入札をした入札者が2人以上あるときは、これらの者により抽せんを行い落札者を決定する。この場合、抽せんを行うべき者のうちに、これを辞退する者があるときは、他の同価入札をした者により抽せんを行う。但し、抽せんを辞退しない者が1人であるときは、その者をもつて落札者とする。
3 前項本文の定により抽せんを行う場合であつて、これに参加すべき申込者のうちに不在の者があるときは、その契約に関係のない国鉄の職員をしてその申込者に代り抽せんをさせる。
4 随意契約の場合は、契約担当役が、申込書の提出した見積書その他の資料に基き、又はその者との協議により、予定価格以下で契約の相手方となるべき者を決定する。
(再度の入札)
第21条 開札した場合に落札者となる者がないときは、契約担当役が、再度の入札を行うことがある。
2 第18条第1項第1号、第2号、第6号、第7号又は第9号の定に該当し、初度の入札において無効の決定を受けた申込者は、前項の定による再度の入札に参加することができない。
(入札結果等の通知)
第22条 競争契約の場合で、開札の結果、落札者があるときはその氏名及び金額を、落札者がないときはその旨を契約担当役から、開札に出席した申込者又はその代理人に知らせる。
2 開札の際、これに出席していない者の入札が落札となつた場合は、契約担当役から、その者にその旨を通知する。
3 郵便により入札書を提出した者に対しては、その者の負担において、契約担当役から開札の結果を通知する。
(契約保証金の納付)
第23条 落札者は、落札の決定を受けた日(前条第2項又は同条第3項の場合は、その通知を受けた日)から起算して10日以内(国民の祝日、日曜日、年末年始の休暇日等(以下「休日」という。)を除く。)に、現金又は債券をもつて契約保証金を国鉄に納付するものとする。但し、公告等においてこれを不要と明示された場合は、その納付を必要としない。
2 契約保証金の額は、公告等において示された一定の率を契約価格に乗じて得た金額又は一定の金額とする。この場合における契約保証金の率は、100分の10を下らないものとする。
3 第6条第2項但書、同条第4項から第7項まで、第7条及び第8条の定は、契約保証金及びその納付について準用する。この場合において、第7条第1項中「入札保証金納付書(様式第1号の甲)」とあるのは「契約保証金納付書(様式第6号の甲)」と、同条第2項中「入札保証金預り証明書(様式第1号の乙)及び入札保証金預り証(様式第1号の丙)」とあるのは「契約保証金預り証明書(様式第6号の乙)及び契約保証金預り証(様式第6号の丙)」と読み替えるものとする。
4 落札者は、第1項の定により現金又は債券をもつて契約保証金を納付することに代え、国鉄においてあらかじめ認めた2人以上の同業者をして、落札者と連帯して工事の請負に関する一切の債務の履行を保証する旨を、第28条の定により取りかわすべき契約書に記載させ、且つ、これに記名なつ印させたうえ、これを契約担当役に提出することができる。
5 前各項の定は、随意契約による契約の相手方が、契約保証金を納付する場合について準用する。
(請負金額内訳書の提出)
第24条 入札の総価により落札者と決定された場合は、当該落札者は、落札の通知を受けた日から起算して7日以内(休日を除く。)に、請負金額内訳書(第7号様式)を契約担当役に提出するものとする。
2 契約担当役は、前項の内訳書に誤り又は不適当な箇所があると認めたときは、これを訂正させるものとする。但し、これにより、落札金額は増減しない。
(契約保証金の返還)
第25条 契約の相手方は、契約保証金の返還については、その債務を完全に履行した後これを請求するものとする。但し、分割履行を認める旨の約定がある場合においては、分割履行をした都度、その割合に応じてこれを請求することができる。
2 契約の相手方は、次の各号の1に該当する場合であつて契約が解除されたときは、前項の定にかかわらず、その解除部分に対する契約保証金の返還を契約担当役に請求することができる。
(1) 契約の相手方が、正当な事由により契約の解除を申し出た場合
(2) 契約の相手方が、無能力者となり、又は失そうし、若しくは死亡した場合
(3) 契約の相手方が、破産の宣告を受け、又はその資産信用状態が著しく低下した場合
(4) 契約の相手方が、前2号以外のその責に帰することができない事由により、契約の締結に必要な資格を失つた場合
(5) 国鉄の都合により、契約の解除を必要とする場合
3 第10条第3項の定は、契約保証金の返還請求の場合に準用する。
(契約保証金の違約金への充当)
第26条 次の各号の1に該当する場合であつて、契約担当役において契約の全部又は一部を解除したときは、契約保証金を契約の相手方が国鉄に支払うべき違約金の全部又は一部にあてるものとする。
(1) 契約の相手方が、契約担当役の書面による承諾を得ないで、第三者に、債務の全部又は大部分の履行を一括して委任し、若しくは請け負わせ、又は債権を譲渡した場合
(2) 契約の相手方が、正当な事由によらないで、約定期限までに、又は約定期限経過後相当の期間内に、債務の履行を完了する見込がない場合
(3) 契約の相手方が、債務の履行を放棄し、又は正当な事由によらないで、これを中止した場合
(4) 契約の相手方に、契約締結に必要な資格がないことが判明した場合
(5) 契約の相手方又はその現場代理人若しくは使用人が、監督又は履行提供に伴う検査若しくは確認に際し、契約担当役又はその指定する監督員若しくは検査員の指示に従わず、又はその職務の執行を妨げ、若しくは詐欺その他不正の行為をした場合
(6) 前各号に掲げる場合の外、契約の相手方が契約に違反し、その違反によつて契約の目的を達することができなくなるおそれのある場合
(前払金)
第27条 国鉄は、契約を締結する際に、契約価格の5割以内の金額を、前払金として契約の相手方に支払うことがある。この場合は、契約価格に対する前払金の割合及び支払期日を、公告等において明示する。但し、特に必要と認めた場合は、契約締結後においてもこれを行うことがある。
2 契約の相手方は、前項の定により前払金を受ける場合は、前払金相当額につき、次の各号の1に該当するものを前払金の担保として国鉄に提供するものとする。
(1) 債券。但し、債券が登録債であるときは、登録機関の質権設定済の証書
(2) 国鉄が受入れを認めている保険会社の発行する履行保証保険証券
(3) 銀行の連帯保証書
(4) 鉄道債券預り証
3 前払金に対する担保の提供及び返還請求の手続については、第7条、第8条第2項及び第10条第3項の定を準用する。
4 契約の相手方は、第2項の定による担保の提供に代え、国鉄において認めた2人以上の同業者が、契約の相手方と連帯して工事の請負に関する一切の債務の履行を保証する旨を記載した保証書に記名なつ印させたうえ、これを契約担当役に提出することができる。
(契約の締結)
第28条 落札者の決定があつた場合は、公告等において示された期限までに契約書(書式第1号)を2通作成し、当事者双方が記名なつ印のうえ、契約を締結するものとする。但し、契約担当役の指示により、落札者が請書(書式第2号)に記名なつ印して契約担当役に提出することにより、契約書に代えることがある。
2 前項の定は、随意契約による契約の締結について準用なる。
(契約の締結等をしない場合の損害賠償)
第29条 入札保証金の納付を必要としない場合であつて、契約の相手方が次の各号の1に該当するときは、国鉄は、契約の相手方に損害賠償を請求することがある。
(1) 契約保証金の納付を必要とする場合において、これを納付しないとき。
(2) 契約書の取りかわし又は請書の提出に応じないとき。
2 前項に定める損害賠償の金額は、落札金額又は見積決定額(単価契約の場合は、落札又は見積決定単価に予定数量を乗じて得た金額)の100分の5を下らないものとする。
(契約の成立)
第30条 契約は、第28条に定める契約書又は請書に記名なつ印を終了したときに成立するものとする。
附則
1 この公示は、昭和37年5月1日から施行する。但し、この公示の施行の日前において、工事請負入札書又は見積書の提出の日を昭和37年5月1日以降と定めているものについては、当該入札書又は見積書に関し必要が生じた日から、この公示を適用する。
2 この公示に定める書式の作成については、当分の間従前の書式による用紙を適宜修正のうえ使用することができる。
3 この公示施行の際、現に効力を有する契約及びこの公示の施行の日前に工事請負入札書又は見積書を提出し、この公示の施行の日以後に契約の効力を生ずるものについては、なお従前の例によることができる。
(様式及び書式は省略。但し、昭和37年4月20日鉄道公報号外参照)
正誤
昭和37年4月20日日本国有鉄道公示第165号(建設工事請負申込者心得を定める件)中481ページ4段1、2行「通信線路施設心得(大正11年9月達第675号)」は削るはずの、482ページ4段6行「(第7号様式)」は「(様式第7号)」のいずれも報告誤り。
日本国有鉄道官報報告主任