日本国有鉄道公示第337号
日本国有鉄道法第43條の規定により、日本国有鉄道会計規程を次のように定める。
昭和27年10月4日 日本国有鉄道総裁 長崎惣之助
日本国有鉄道会計規程目次
第1章 総則(第1條-第13條)
第2章 資産(第14條-第36條)
第3章 資本及び負債(第37條-第44條)
第4章 予算(第45條-第56條)
第5章 現金及び有価証券の出納保管(第57條-第62條)
第6章 物品の出納保管(第63條-第65條)
第7章 固定資産の保管(第66條)
第8章 決算(第67條-第73條)
第9章 契約(第74條-第77條)
第10章 経済計算及び統計(第78條-第80條)
第11章 会計監査及び弁債命令(第81條-第85條)
第12章 雑則(第86條-第88條)
附則
第1章 総則
(目的)
第1條 この規程は、日本国有鉄道法(昭和23年法律第256号、以下「法」という。)第43條の規定により、日本国有鉄道(以下「国有鉄道」という。)の会計及び財務に関する基準を確立して、事業の能率的な運営を図り、もつて国有鉄道の事業の健全な発達に資することを目的とする。
(適用範囲)
第2條 国有鉄道の会計及び財務に関 しては、法及び日本国有鉄道法施行令(昭和24年政令第113号、以下「令」という。)その他国有鉄道の会計及び財務に関し、適用又は準用される法令の規定による外、この規定の定めるところによる。
(事業年度)
第3條 国有鉄道の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までの1年とする。
(計理原則)
第4條 国有鉄道は、事業の経営成績及び財政状態を明らかにするため収益及び費用の発生並びに資産、資本及び負債の増滅異動を、その発生の事実に基いて計理する。2 国有鉄道は、すべての会計取引につき、正規の簿記の原則に従つて、正確な記帳整理を行う。3 国有鉄道は、会計取引のうち、資本取引と損益取引とをめいりように区分して計理する。4 国有鉄道は、すべての収益及び費用を、その収入及び支出となるべき事実に基いて計上し、その発生した当該年度に正しく割り当てられるように処理する。
(年度所属区分)
第5條 国有鉄道は、収益及び費用の発生並びに資産、資本及び負債の増滅異動を、その原因たる事実の発生した日を基準として、年度所属を区分するものとし、その日を決定し難い場合は、その原因たる事実を確認した日を基準として。年度所属を区分する。
(勘定体系及び計理区分)
第6條 国有鉄道の計理は、貸借対照表勘定たる資産勘定、資本及び負債勘定、損益計算書勘定たる損益勘定、清算勘定たる工事、用品、工場、電気及び炭鉱の各勘定並びに決算整理のための付替勘定に区分して行い、各勘定を別に定める勘定科目に区分して整理する。2 前項の規定による清算勘定の区分は、必要に応じ、これを変更することができる。
(勘定整理区分)
第7條 資産勘定、資本及び負債勘定においては、それぞれ資産、資本及び負債項目の増減異動及び現在高を明らかにする。2 損益勘定においては、収入及び経費の発生経過並びに営業損益及び営業外損益を明らかにする。3 清算勘定においては、事業施設の新設、改良及び取替に要する経費の計算及びこれに伴う固定資産の増加の過程並びに貯蔵品等の生産、製作、修理、加工、購入、保管、配給等に要する経費の計算及びこれらの経費の各勘定に対する振替の過程を明らかにする。4 付替勘定においては、本庁、地方機関相互間の決算類の付替その他決算整理の過程を明らかにする。
(財務諸表)
第8條 法第40條第1項の規定により作成する財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下これを「財務諸表」という。)の様式は、別表第1「財務諸表様式」の通りとし、これらの財務諸表は、国有鉄道の当該年度末における財政状態及び当該年度における経営成績を明らかにするものとする。
(会計機関)
第9條 国有鉄道の会計及び財務に関する事務の適正な運営を図るため、所要の箇所に会計機関を設ける。2 会計機関は、次の通りとし、別に定めるところにより、総裁又は総裁の委任を受けた者が、これを任命する。 (1)認証役 (2)担当役 (3)会計長 (4)出納役及び出納員 (5)物品出納長 (6)物品出納役及び物品出納員 (7)固定資産保管役3 総裁は、必要に応じ、前項各号に掲げる会計機関の事務を分掌させるため、それぞれの分任機関を設けることができる。
(会計機関の職務)
第10條 認証役は、担当役の行う契約その他経費支出の原因となる行為(以下「支出負担行為」という。)に対する認証を担当する。2 担当役は、総裁の通達する予算実施計画及び債務負担行為計画に従い、認証役の認証を受け、支出負担行為を担当する外、別に定めるところにより、売却、貸付等の契約を担当する。3 会計長は、債務者に対する支払の請求、出納役及び出納員に対する現金又は有価証券の出納命令並びに各勘定科目相互間の振替決算命令を担当する。4 出納役及び出納員は、現金及び有価証券の出納保管を担当する。5 物品出納長は、物品出納役に対する物品の出納命令を担当する。6 物品出納役及び物品出納員は、物品の出納保管を担当する。7 固定資産保管役は、固定資産の保管を担当する。
(会計機関の兼職禁止)
第11條 会計機関のうち、認証役と担当役、会計長と出納役、物品出納長と物品出納役とは、それぞれ兼ねることはできない。但し、小規模の業務機関にあつては、別に定めるところにより、認証役と担当役に限り、これを兼ねることができる。
(総裁の代理権)
第12條 法第48條の規定に基き、会計機関のうち、担当役は、契約の締結に関し、会計長は、債務者に対する支払の請求に関し、出納役及び出納員は、現金の支払及び受領に関し、物品出納役及び物品出納員は、物品の引渡し及び受領に関し、それぞれ総裁を代理するものとする。
(帳簿)
第13條 国有鉄道においては、予算原簿、総勘定元帳、元帳、現金出納帳、物品出納帳、固定資産原簿及び鉄道債券原簿並びに必要な補助帳簿を備え、所要の事項を整然且つめいりように記録するものとする。
第2章 資産
(資産の区分)
第14條 国有鉄道の資産は、令第30條の規定に基き、固定資産、投資資産、作業資産、流動資産、調整勘定、調整資金、繰延資産及び未整理資産に区分する。
(固定資産)
第15條 固定資産は、土地、建物、線路設備、電線路、工作物、車両、船舶、営業用自動車及び機器(別に定める機器名称鑑により定めるものに限る。)(以下これらの資産を「有形固定資産」という。)並びに特許権、実用新案権、特許実施権、実用新案実施権、地上権、地役権、水利権、鉱業権、営業権等(以上いずれも無償取得によるものを除く。以下これらの資産を「無形固定資産」という。)とし、各資産を、その使用目的又は性質により、次の通り区分する。(1)鉄道施設、船舶施設、自動車施設、工務施設、用品施設、工場施設、電気施設、炭鉱施設(2)未か動施設、未しゆん功施設、雑施設、受託施設
(投資資産)
第16條 投資資産は、出資金その他これに準ずるものとする。
(作業資産及び流動資産)
第17條 作業資産は、貯蔵品、未成品及びこれらに準ずる物品とする。2 流動資産は、未収金、連絡運輸による債権、預託金、預金、現金、仮払金及びこれらに準ずるものとする。
(調整勘定及び調整資金)
第18條 調整勘定は、国有鉄道設立の際政府から引継を受けた国有秩道事業特別会計の欠損累計額とし、調整資金は、国有鉄道事業特別会計が建設改良の財源補充のため保有していた資金の引継額とする。
(繰延資産)
第19條 繰延資産は、災害その他による固定資産の巨額な損失頽、その効果が次年度以降に及ぶ測量調査費、鉄道債権の発行諸費用その他これらに準ずる経費の繰延額とする。
(未整理資産)
第20條 未整理資産は、工事勘定における間接費回収不足額、貯蔵品のたな卸し差額等の未整理貯蔵品の相当額その他これらに準ずるものとする。
(固定資産の価額)
第21條 固定資産の価額は、その取得のために要した直接費及び間接費の合計額とする。但し、寄附その他による無償取得の固定資産については、適正な見積価額による。
(固定資産の価額の改定)
第22條 固定資産の価額が一般物価の変動又は機能の陳腐化その他の事由により、著しく不適当となつたときは、これを適正な価額に改定することができる。2 総裁は、前項の規定により、固定資産の価額を改定する場合は、その改定の基準について、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けてこれを行うものとする。
(固定資産の価額の削除)
第23條 固定資産が滅失したとき又はこれを譲渡し、交換し、撒去し、若しくは廃棄したときは、その価額を削除する。
(固定資産の価額の改定又は削除に伴う整理)
第24條 第22條及び前條の規定により、固定資産の価額を改定し又は削除した場合の整理は、次の各号に定めるところによる。(1) 固定資産の価額の改定による評価増額は、固定資産再評価積立金に計上し、評価減額は、固定資産再評価積立金から減額すること。(2) 固定資産の価額を削除した場合は、その削除額を損費に計上すること。但し、当該固定資産が第25條に定める減価償却資産であるときは、これに対する減価償却済額に相当する額を減価償却引当金から繰りもどして整理し、削除額と減価償却済額との差額のみを損費に計上すること。(3)前項の規定により、損費に計上すべき削除額は、当該固定資産の原簿価額と削除に伴い発生する物品の受入額との差額とする。
(滅価償却資産)
第25條 固定資産(受託施設を除く。)のうち、次の各号に掲げるものを、減価償却資産とし、毎事業年度、別表第2の「減価償却基準表」に定める基準により、減価償却を行うものとする。(1) 土地(ボタ捨揚に限る。)建物、線路設備(軌道及び鉄道林を徐く。)、電線路(送電線路に限る)及び工作物(2) 車両、船舶、営業用自動車及び機器(3) 特許権、実用新案権、特許実施権、実用新案実施権、地上権、地役権、水利権、鉱業権、営業権等の無形固定資産2 減価償却資産の陳腐化等による減耗の補充その他経営上特に必要のある場合は、あらかじめ、運輸大臣の認可を受け、特別償却又は償却の繰延をすることができる。
(減価償却の方式)
第26條 滅価償却は、毎事業年度はじめの減価償却資産の価額を基礎として、定額法による(炭鉱施設中、機器を除く減価償却資産については、生産高比例法による。)総合償却とし、その整理は、間接法によるものとする。2 前條第1項に規定する減価償却資産の残存価額は、次の通りとする。(1) 土地(ボタ捨揚に限る。)、工作物(坑軌道に限る。)及び無形固定資産 零(2) その他 原簿価額の10%
(減価償却資産の取替の整理)
第27條 滅価償却資産の取替をした場合の整理は、廃棄法によるものとし、当該資産の簿価による撒去類によるものとし、当該資産の簿価による撒去額(発生品の価額を控除した額)を損費に計上し、新たに取得した資産の取得価額を固定資産の価額に計上するものとする。2 前項の規定により、撤去額を損費に計上する場合は、第24條第2号の規定により減価償却引当金を繰りもどして、その整理を行うものとする。
(取替資産及びその取替の整理)
第28條 固定資産のうち、電線路(送電線路を除く。)及び線路設備(軌道及び鉄道林に限る。)を取替資産とする。2 取替資産の取替をした場合の整理は、更新法によるものとし、取替費を、損費に計上し、固定資産価額の異動整理は行わない。
(有価証券の価額)
第29條 出資証券及びその他の有価証券の価額は、取得価額による。但し、入札又は契約の保証金として保管する国債その他の有価証券については、その額面額によるものとする。
(貯蔵品等の価額)
第30條 貯蔵品、未成品その他これらに準ずる物品(以下「貯蔵品等」という。)の価額は、購入価額又は製作若しくは生産に要した費額とする。2 発生品、遺失品等を貯蔵品に編入する場合で、前項の規定により価額を定め難い物品については、適正な見積価額によるものとする。3 貯蔵品中、同一品種で価額が異なる場合は、別に定めるところにより、予定総平均単価(以下出納単価」という。)又は移動平均法による単価をもつて当該物品の価額とすることができる。
(貯蔵品の価額の改定)
第31條 一般物価の変動その他特別の事由により、貯蔵品の価額が薯しく不適当となつたときは、これを適正な価額に改定することができる。2 総裁は、前項の規定により貯蔵晶の価額を改定する場合は、その改定の基準について、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けてこれを行うものとする。
(貯蔵品等の価額の削除又は減額)
第32條 貯蔵等が滅失し、又はき損し、若しくは陳腐化したときはその価額を削除し、又は低減する。
(貯蔵品等の価額の改定又は削除等に伴う整理)
第33條 第30條第3項の規定により、出納単価を設定した場合及び前2條の規定により、貯蔵品等の価額を改定し、又は削除し、若しくは低減した場合の整理は、次の各号に定めるところによる。(1) 貯蔵品の価額の改定及び出納単価の設定による増減額は、これを貯蔵品価額調整勘定に計上すること。(2) 貯蔵品等の価額を削除し、又は低減した場合は、その削除額は低減額を、損費に計上すること。
(貯蔵品の払出基準)
第34條 貯蔵品を事業の用に供するため払い出す場合は、出納単価又は移動平均単価によるものを除き、先入先出法により、その払出しを整理するものとする。
(貯蔵品のたな卸し)
第35條 貯蔵品については、少くとも年1回以上そのたな卸しを行い、現品と帳簿とを照合し、資産計上額の正確を保持するものとする。
(固定資産及び物品の管理)
第36條 固定資産及び物品は、特に良好な状態において管理し、その用途に応じて、最も効率的に運用しなければならない。2 固定資産及び物品は、適正な対価なくして、これを貸し付け、使用させ、譲渡し、又は交換することはできない。但し、法令の規定による場合及び業務の運営上必要がある場合は、別に定める軽微なものに限り、この限りでない。
第3章 資本及び負債
(資本及び負債の区分)
第37條 国有鉄道の資本及び負債は、令第31條の規定に基き、これを資本金、積立金、引当金、長期負債、短期負債、利益金又は損失金、受託施設見返勘定、貯蔵品価額調整勘定及び未整理負債に区分する。
(資本金)
第38條 資本金は、国有鉄道設立の際における資本金及び増資による資本金とする。
(積立金)
第39條 積立金は、資本取引に基く固定資産再評価積立金及び受贈施設積立金並びに損益取引に基く利益の処分による債務償還積立金及び欠損補てん積立金とする。2 前項の規定による債務償還積立金及び欠損補てん積立金は、利益金のうちから、予算の定めるところにより、これを積み立てるものする。
(引当金)
第40條 引当金は、資産の減価を示す減価償却引当金及び補充取替引当金並びに負債を示す修繕引当金及び災害引当金とする。2 減価償却引当金は、第26條の規定により計算した減価償却費相当額を計上し、補充取替引当金は、減価償却資産の簿価による減価償却費の不足を補うため、当該資産の再調達価格による減価償却費と簿価によるそれとの差額を基礎として、予算で定めた特別補充取替費相当額を計上する。3 修繕引当金は、固定資産に対する毎事業年度の修繕費の平準化を期するため、その予定基準額のうち、事故その他避け難い事由のため、当該年度内に修繕の実施できなかつた金額を当該年度の経費とし、その相当額を計上する。4 災害引当金は、不測の災害に対する復旧費の平準化を期するため、過去5箇年間の実績による災害復旧費平均額を当該年度の経費として、その相当額を計上する。
(長期負債及び短期負債)
第41條 長期負債は、長期借入金及び鉄道債券の発行額とし、短期負債は、短期借入金、未払金、連絡運輸による債務、借受金、引換代金及びこれらに準ずる債務とする。
(受託施設見返勘定)
第42條 受託施設見返勘定は、他人の専用する側線等であつて、用途を廃止した場合、残存物件をその者に返還することを條件として寄附を受けた施設(固定資産中の受託施設をいう。)の受入額とする。
(貯蔵品価額調整勘定)
第43條 貯蔵品価額調整勘定は、貯蔵品の価額改定による増減額とする。
(未整理負債)
第44條 未整理負債は、工事勘定における間接費回収超過額及び経費の予定決算をする場合の見積額その他これらに準ずるものとする。
第4章 予算
(予算の提出)
第45條 総裁は、法第39條第1項及び第1條から第4條までの規定により、毎事業年度の予算を作成し、これに当該予算の予算実施計画、事業計画、資金計画、当該年度の予定貸借対照表、予定損益計算書その他財政計画の参考書類並びに前々年度の貸借対照表、損益計算書及び財産目録を添え、これを前年度の10月31日までに、運輸大臣に提出するものとする。
(追加予算)
第46條 総裁は、毎事業年度の予算作成後に生じた避け難い事由により、予算を追加する必要がある場合は、法第39條の6の規定により、追加予算を作成し、これに当該予算の予算実施計画、事業計画、資金計画その他財政計画の参考書類を添え、これを運輸大臣に提出するものとする。
(予算の修正)
第47條 総裁は、毎事業年度の予算作成後に生じた事由に基いて、予算を変更する必要がある場合は、法第39條の7の規定により予算を修正し、これに当該予算の予算実施計画、事業計画、資金計画その他財政計画の参考書類を添え、これを運輸大臣に提出するものとする。
(暫定予算)
第48條 総裁は、毎事業年度の予算が、当該事業年度の開始の日までに、成立の見込がないときは、法第39條の8の規定により、1箇月又は数箇月間の暫定予算を作成し、これに当該予算の予算実施計画、事業計画、資金計画その他財政計画の参考書類を添え、これを運輸大臣に提出するものとする。
(予算実施計画等の通達)
第49條 総裁は、法第39條の5の規定により、政府から国有鉄道の予算が国会の議決を経た旨の通知を受けたときは、担当役ごとに予算実施計画及び債務負担行為計画を定め、これを各担当役及び認証役に通達する。
(担当役の予算の実施)
第50條 担当役は、総裁から通達された予算実施計画及び債務負担行為計画に従い、別に定めるところにより、認証役の認証を受け、支出負担行為を行うものとする。2 担当役は、予算実施計画及び債務負担行為計画の実施に当つては、その適正を期し、国有鉄道の事業の能率的且つ経済的な運営に役立つことを目的としなければならない。
(債務負担額報告)
第51條 認証役は、毎月認証済額報告書を作成し、これを総裁に提出しなければならない。2 総裁は、前項の規定により提出を受けた認証済額報告書に基き、法第39條の15及び令第11條の規定による債務負担額報告書を作成し、翌月末日までにこれを大蔵大臣、運輸大臣及び会計検査院に提出するものとする。
(資金計画)
第52條 総裁は、法第39條の14条及び令第10條の規定により予算実施上必要な資金につき、4半期ごとに資金計画を定め、毎4半期開始の日の20日前までに、これを運輸大臣、大蔵大臣及び会計検査院に提出するものとする。2 前項の規定による資金計画書提出後、これを変更する必要が生じた場合は、資金計画変更調書を作成し、遅滞なくこれを運輸大臣、大蔵大臣及び会計検査院に提出するものとする。
(支払計画の通達)
第53條 総裁は、前條の規定による資金計画に基き、会計長ごとに支払計画を定め、これを各会計長に通達するものとする。2 会計長は、前項の支払計画をこえて、支払の命令を発することはできない。
(予備費及び弾カ條項による経費の使用の通知)
第54條 総裁は、予算の実施上、法第39條の3第1項に規定する予備費を使用する必要があるときは、法第39條の13及び令第6條の規定により、予備費使用調書をもつて、直ちにこれを運輸大臣に通知するものとする。2 総裁は、法第39條の3第2項(以下「弾力條項」という。)の規定に基き、予定収入をこえる収入相当額を、収入の増加に伴つて増加する経費に使用する必要があるときは、令第7條の規定により、弾力條項による経費使用調書をもつて、直ちにこれを運輸大臣に通知するものとする。
(経費の流用)
第55條 総裁は、予算の実施上、予算に指定された流用制限の経費の金額を、流用する必要があるときは、法第39條の11の規定により、あらかじめ運輸大臣に経費流用承認申請書を提出して、その承認を受けるものとする。
(予算の繰越し)
第56條 総裁は、法第39條の12の規定により予算を翌年度に繰り越して使用するときは、法第39條の13及び令第9條の規定により、繰越計算書をもつて、翌年度の5月31日までにこれを運輸大臣に通知するものとする。
第5章 現金及び有価証券の出納保管
(収納及び支払)
第57條 現金の収納又は支払をする場合は、会計長においてその根拠となる収入及び支出の内容を調査決定(以下「調定」という。)の上、出納役又は出納員に対し、収納又は支払の命令を発するものとする。2 出納役及び出納員は、前項の規定による会計長の命令により、現金の出納を行うものとする。3 前2項の規定は、有価証券の受入れ又は払出しの場合にこれを準用する。4 業務の性質上、現業機関において直ちに現金の出納を必要とするものについては、第1項及び第2項の規定にかかわらず、別に定めるところにより、当該機関の分任出納役又は出納員が、会計長の命令によらないで、現金の出納をすることができる。5 前項の規定により、収納し、又は支払をしたものについては、事後において会計長がこれを調定するものとする。
(現金の保管)
第58條 出納役及び出納員は、善良な管理者の注意をもつて現金及び有価証券を出納保管しなければならない。2 出納役及び出納員は、善良な管理者の注意を怠り、その保管に係る現金又は有価証券を亡失したときは、その損害の弁償の責に任じなければならない。
(現金の管理)
第59條 現金は、別に定める業務上必要な手もと保管額を除き、法第42條第1項本文の規定により、これを国庫(日本銀行)に預託するものとする。但し、日本銀行の支店又は代理店を簡便に利用できないときは、令第17條の規定により、郵便局又は市中銀行に預け入れることができる。2 前項の規定により、現金を国庫に預託し、又は郵便局若しては市中銀行に預け入れる場合は、当該出納役の名をもつて行うものとする。
(証券による収納又は支払)
第60條 収入金は、現金による外、小切手(別に指定するものに限る。)、郵便為替証書又は郵便振替貯金払出証書(以下これらを「証券」という。)をもつて収納することができる。但し、第57條第4項の規定により、現業機関において直ちに収納することのできる収入金については、次に掲げるものの外、証券をもつて収納することはできない。(1) 定期旅客運賃(2) 貨物運賃、料金及び運送附帯諸費用(3) 貸庫料(4) 荷物引換代金(5) 荷扱所及び公認小荷物扱所の収入納付金(6) 遺失物法(明治32年法律第87号)に基き、国有鉄道の所有に帰した還付金(7) 入札又は契約その他の保証金2 支払金は、現金による外、出納役の振り出す小切手による。但し、国の機関に対して支払う場合は、国庫金振替書によるものとする。
(前金払及び概算払)
第61條 事業運営上特に必要がある場合は、次に掲げる経費又は代金等に限り、前金払又は概算払をすることができる。但し、概算払をすることができるのは、第2号及び第7号から第9号までに掲げる経費に限る。(1) 工事請負代金及び物品の製作又は購入代金(2) 国、地方公共団体その他の公法人又は公益法人に対して支払う経費(3) 外国から直接購入する物品の代金(4) 収用又は買収に係る土地の上にある物件の移転料(5) 土地及び建物その他の物件の借料(6) 試験研究又は調査の委託費(7) 負担金及び分担金(8) 旅費(9) 前各号に掲げるものの外、特別の事由により前金払又は概算払を必要とする経費
(前金払及び概算払の割合)
第62條 前條の規定により、前金払又は概算払をする場合の金額は、業務上特別の必要がある場合の外、契約金額又は契約の予定金額の5割以内とする。但し、第2号から第9号までに掲げるものについては、この限りでない。
第6章 物品の出納保管
(物品の範囲)
第63條 「物品」とは、現金及び有価証券以外の動産で、固定資産に編入されないものをいう。
(物品の受入れ又は払出し)
第64條 物品を受け入れ、又は払い出す場合は、物品出納長の出納命令により、物品出納役又は物品出納員がこれを行うものとする。2 業務の必要上、前項の規定により難い場合は、別に定めるところにより、物品出納役又は物品出納員は、物品出納長の出納命令によらないで、物品の出納をすることができる。
(物品の保管)
第65條 物品出納役及び物品出納員は、善良な管理者の注意をもつて物品を出納保管しなければならない。2 物品出納役及び物品出納員は、善良な管理者の注意を怠り、その保管に係る物品を亡失し、又はき損したときは、その損害の弁償の責に任じなければない。3 前項の規定は、役員又は職員が業務の遂行上保管し、又は使用する物品(貸与品を含む。)を亡失し、又はき損したときの責任についてこれを準用する。
第7章 固定資産の保管
(固定資産の保管)
第66條 固定資産保管役は、善良な管理者の注意をもつて固定資産を保管しなければならない。2 固定資産保管役は、善長な管理者の注意を怠り、その保管に係る固定資産(動産に限る。)を亡失し、又は、き損したときは、その損害の弁償の責に任じなければならない。
第8章 決算
(伝票制度)
第67條 会計長は、資産、資本及び負債の増減異動並びに収入及び経費の発生に関する一切の会計取引を調定し、別に定めるところにより、伝票に基き、これを記帳整理しなければならない。
(貯蔵品取扱費用の加算)
第68條 貯蔵品を事業の用に供した場合は、当該貯蔵品の価額に、別に定める貯蔵品の調達、保管、配給等に要する経費の負担額(以下「用品割掛」という。)を加算し、当該事業にかかわる経費に振替計算をするものとする。
(繰延整理)
第69條 災害その他の事由による固定資産の巨額な損失額、その効果が次年度以降に及ぶ測量調査費、鉄道債券の発行諸費用その他これらに準ずる経費で、当該年度において全額を負担することが不適当と認められる場合は、これを繰延整理することができる。但し、災害その他の事由による固定資産の巨額な損失額は、固定資産再評価積立金の繰りもどしにより整理することができる。
(欠損処分)
第70條 国有鉄道の債権のうち、次に掲げる場合のものは、当該債権に相当する金額を資産額から削除し、これを欠損として整理することができる。(1) 債務履行期以後5年(当該債務に対する債権の消滅時効が5年より短いきはその年数)を経過し、なお債務者の居所が不明な場合。(2) 強制執行その他徴収に要する経費が債権額より多額な場合。(3) 強制執行後、なお回収不能の残額がある場合。(4) 運送約款に基く旅客運賃等の追徴金で、債務者の資力が不十分のため、その追徴が著しく困難な場合。
(月次決算報告)
第71條 会計長は、毎月、月次試算表及び各勘定内訳表(以下「月次決算表」という。)を作成し、総裁に提出しなければならない。2 総裁は、前項の規定により、提出を受けた月次決算表を総括し、総括月次決算表を作成の上、法第39條の15及び令第12條の規定により、翌月末日までにこれを大蔵大臣、運輸大臣及び会計検査院に提出するものとする。
(年度決算)
第72條 総裁は、毎事業年度の決算を翌年度の6月30日までに完結し、法第40條の規定により財務諸表を作成の上、遅滞なくこれを運輸大臣に提出し、その承認を受けるものとする。2 前項の規定により、財務諸表につき、運輸大臣の承認を受けたときは、これを官報又は新聞に公告するものとする。
(決算報告書)
第73條 総裁は、法第40條の2及び令第13條の規定により、毎事業年度の歳入歳出決算書及び債務に関する計算書を作成し、これに前條第1項の規定により運輸大臣の承認を受けた財務諸表及び予算実施計画の区分による実績計算書を添附の上、翌事業年度の7月31日までに運輸大臣を経て大蔵大臣に提出するものとする。
第9章 契約
(契約担当役)
第74條 国有鉄道における売買、貸借、請負その他の契約(以下「契約」という。)は、契約を締結する職員として任命された者(以下「契約担当役」という。)でなければ、これを締結することはできない。
(契約方式)
第75條 契約は、法第49條の規定によりすべて公告して一般競争入札の方法に準じて申込をさせ、当該契約の目的に従い、最高又は最低の価格による申込者又は申込者との公正な協議により定めた者と締結されなければならない(以下この契約方式を「公開競争契約」という。)。但し、事業経営上緊急な必要がある場合、公開競争契約によることが不利である場合又は令第33條の規定による場合は、別に定めるところにより、指名競争契約又は随意契約によることができる。
(緊急又は不利な場合の基準)
第76條 前條但書の規定による「緊急な必要がある場合」及び「不利な場合」の基準は、次に掲げるところによる。(1) 災害復旧その他緊急を要する工事の施行その他に関する契約で公開競争契約による暇がない場合。(2) 急速に契約をしなければ、契約を締結する機会を失うおそれがある場合、又は著しく不利な価格その他の條件をもつて契約しなければならないおそれがある場合。(3) 業者が連合して不当な競争をするおそれがある場合。(4) 契約上の義務に違反があるときは国有鉄道の事業に著しい支障をきたすおそれがある場合。(5) その他前各号に類する場合で、公開競争契約によることを不利とする特別の事由があるとき。
(公正協議)
第77條 契約担当役は、工事(建設工事を除く。)の請負文は物品の購入若しくは製作に関する契約で公開競争に附した場合、開札の結果最低の申込者が次の各号の1に該当するとき又は価格その他の條件について協議を必要とするときは、開礼に参加して申込者と協議の上他の申込者を選定するか、又は他の申込者に契約数量を分割するか、若しくは予定価格の範囲内で最低の申込価格と異なる契約価格を定めることができる。(1) 資カ、信用、技術、経験、設備及び過去における契約履行の成績等を審査し、その履行について誠意若しくは能力が不十分と認められるとき又は品質、規格等の点で完全な履行が困難と認められるとき。(2) 単価による競争で、申込数量が公告数量に達しないとき。2 前項の規定により申込者と協議を行う場合は、別に定めるところにより、契約事務担当者以外の職員1名以上を立ち会わせ、開札に参加した申込者との間において公正に行うものとする。
第10章 経済計算及び統計
(経済計算の目的)
第78條 国有鉄道における企業能率の増進、経営管理及び運賃策定の基礎資料とするため、別に定めるところより経済計算を行う。
(経済計算の方法)
第79條 経済計算においては、次の方法によりその計算を行うものする。(1) 経営責任の所在に従つて、事業を管理地域別及び職能別に区分し、それぞれにつき事業活動の基準とその実績とを対照させ、経営能率を判定するための数値を計算する。(2) 運送業務を路線別及び運輸種類別に区分し、それぞれの運送原価と収益とを対照させ、収益性を判定するための数値を計算する。
(統計)
第80條 国有鉄道の業務に関する運営状況を明らかにし、且つ、諸般の企図に対しその策定資料を提供するため、諸統計を作成する。
第11章 会計監査及び弁償命令
(会計監査員)
第81條 総裁は、予算の執行及び会計の適正を期するため会計監査員を任命し、予算の実施状況、収入及び支出の内容、現金、有価証券及び物品の出納保管、固定資産の管理その他必要事項に関し書面監査及び実施監査を行わせるものとする。
(会計監査会議)
第82條 総裁は、予算執行職員(予算執行職員の責任に関する法律(昭和25年法律第172号)第9條の規定により総裁が別に指定した者をいう。以下同じ。)及びその他の職員の弁償責任及び処分に関する事項並びに会計監査上の重要事項を審議するため、会計監査会議を設ける。2 会計監査会議は、総裁の指名する理事及び職員をもつて構成するものとし、その運営及び審議事項については、別にこれを定める。
(予算執行職員に対する弁償命令)
第83條 総裁は、予算執行職員の責任に関する法律第4條の規定により、会計検査院において弁償責任があると検定し、その通知を受けたときは、当該予算執行職員に対しその損害の弁償を命じなければならない。但し、予算執行職員が故意又は軍大な過失により、その職務に違反し、国有鉄道に損害を与えたことが明らかな場合は、会計検査院の検定前においてもその損害の弁償を命ずることができる。
(出納職員等に対する弁償命令)
第84條 総裁は、出納役、出納員、物品出納役、物品出納員又は固定資産保管役が善良な管理者の注意を怠り、その保管に係る現金、有価証券、物品又は固定資産(動産に限る。)を亡失し、又はき損したときはその損害の弁償を命ずるものとする。
(物品使用者等に対する弁償命令)
第85條 前條の規定は、役員又は職員が、業務の遂行上保管し、又は使用する物品(貸与品を含む。)又は固定資産(動産に限る。)を亡失し、又はき損したときに準用する。
第12章 雑則
(会計事務規程)
第86條 この規程の施行に関し、必要な事項及び会計事務の手続については、別に定めるところによる。
(改正の場合の認可)
第87條 この規定の改正に伴い、日本国有鉄道会計規程基本事項(昭和27年3月25日運輸大臣認可)の変更を必要するときは、その変更について、あらかじめ運輸大臣の認可を受けなければならない。
(改正の場合の通知)
第88條 この規程を改正した場合は、遅滞なくこれを運輸大臣、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
附 則
1 この公示は、昭和26年度から適用する。但し、第25條中別表第2の減価償却基準表に関する規定は、昭和27年度から適用し、第9條、第10條、第66條及び第84條中、固定資産保管役に関する規定並びに第85條中固定資産に関する規定は、昭和27年11月1日から施行する。
2 日本国有鉄道の収入中、証券をもつて収納しうる収入の種目について(昭和25年3月日本国有鉄道公示第34号)は、この公示の適用の日から廃止する。3 昭和25年度における国有鉄道の会計及び財務に関する処理は、この公示に基いて行われたものとみなす。
別表第1 財務諸表様式 省略
別表第2減価償却基準表
| 区分 | 種目 | 耐用年数 | 備考 |
| 建物 | 庁舎、宿舎、諸建物 | A75B50C30D60 | (1) A、B、C又はDとはそれぞれ次の構造の建物という。A 鉄骨、鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造B 鉄骨造建物 軸部(小屋組を組む。)が鉄骨で、外壁が鉄筋コンクリート造でないもの。C 木造D れんが造、コンクリート造、石造その他前記以外のもの。(2) 車庫中、蒸気機関車については次による。 A40、B30、C15、D35(3) 昭和18年度から同23年度までの建築の木造建物については、一律に12年とする。 |
| 倉庫、工場、発変電所、車庫 | A60B40C20D45 | ||
| 駅舎、区舎 | A65B45C25D50 | ||
| 線路設備 | こ線橋 | 30 | |
| 橋りよう、すい道その他 | 40 | ||
| 電線路 | 送電線路 | 50 | |
| 工作物 | 地下道、乗車場及び貨物ホーム | 50 | |
| その他 | 40 | ||
| 車両 | 蒸気機関車 | A25 | Aは鉄鋼車、Bは木製車を示す。 |
| 電気機関車 | A20 | ||
| 電車 | |||
| 電動車 | A20 | ||
| 制御車及び付随車 | A30B20 | ||
| 客車 | A30B20 | ||
| 貨車 | A30 B20 | ||
| 内然動車 | A20 | ||
| 船舶 | 船舶法第4条から第19条までの適用を受ける船舶 | ||
| 綱船 | 20 | ||
| 木船 | 12 | ||
| 船舶法第4条から第19条までの適用を受けない船舶 | |||
| 綱船 | 12 | ||
| 木船 | 8 | ||
| 自動車 | 5 | ||
| 機器 | 炭鉱機械類、土木建築機械類 | 10 | 木造は、左記の50%とする。 |
| 荷役機械類、工作機械類 | 18 | 同上 | |
| 発送変電機械類 | 20 | 同上 | |
| その他の機械類 | 18 | 同上 | |
| 無形資産 | 特許権 | 10 | |
| 実用新案権 | 7 | ||
| 特許実施権 | 契約期間 | ||
| 実用新案実施権 | 〃 | ||
| 地上権 | 〃 | ||
| 地役権 | 〃 | ||
| 水利権 | 20 | ||
| 鉱業権 | 存続期間 | ||
| 営業権 | 10 |
正誤
昭和27年10月4日日本国有鉄道公示承第337号日本国有鉄道会計規程中113頁5段終りから3行「(投資資産)」は第16条の見出しとして別行にするはずの、114頁3段19行「(坑軌道に限る。)」は「(坑道に限る。)」の、114頁5段6行「削除額は」は「削除額又は」の、117頁1段終りから78 行「参加して申込者と」は「参加した申込者と」の、118頁上段終りから2行「領り有価証券」は「預り有価証券」の、118頁中段終りから19行「領託金」は「預託金」の、118頁終りから18行「領金」は「預金」の、119頁下段車両の項中「内然動車」は「内燃動車」のいずれも誤り。
日本国有鉄道官報報告主任
正誤
昭和27年10月4日日本国有鉄道公示第337号日本国育鉄道会計規程第61条第6号中「試験研究又は調査」は「試験、研究、調査等」の誤り。
日本国有鉄道官報報告主任