日本国有鉄道公示第99号
日本国有鉄道土地建物貸付規則を次のように定める。
昭和32年3月30日 日本国有鉄道総裁 十河 信二
日本国有鉄道土地建貨物付規則
目次
第1章 総則
第1条 目的
第2条 適用範囲
第3条 用語の意義
第2章 手続
第4条 出願
第5条 使用承認
第6条 賃貸借契約
第7条 貸付の更新
第3章 貸付条件
第1節 貸付期間
第8条 貸付期間
第2節 貸付の実施
第9条 使用の開始
第10条 使用上の指示
第11条 使用目的の制限
第12条 現状変更の制限
第13条 使用者所有物件の使用制限
第14条 譲渡及び転貸の制限
第15条 損害賠償
第16条 特定行為の禁止
第17条 立入り調査
第18条 使用の標示
第19条 その他の条件
第3節 貸付の解除
第20条 貸付の解除及び変更
第21条 違約金
第22条 原状回復
第4節 使用料
第23条 使用料
第24条 使用料の改訂
第25条 無償使用
第26条 最低料金
第27条 使用料の収受
第28条 延滞償金の徴収
第29条 使用料の返還
第30条 保険証券の提出
第31条 保証
第32条 保証金の充当
附則
第1章 総則
(目的)第1条 この規則は、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)が、その管理にかかる土地又は建物を他に貸し付けるにあたり、その財産の適正で有効な運用をはかることを目的とする。
(適用範囲)第2条 国鉄の管理する土地又は建物を他に貸し付ける場合は、法令その他別に定めるものによる外、この規則の定めるところによる。
(注1)「法令」とは、借地法(大正10年法律第49号)、借家法(大正10年法律第50号)、農地法(昭和27年法律第229号)等の関係法令をいう。
(注2)「別に定めるもの」とは、日本国有鉄道構内営業規則(昭和29年7月日本国有鉄道公示第172号)、日本国有鉄道広告取扱規則(昭和32年3月日本国有鉄道公示第75号)、日本国有鉄道専用線規則(昭和31年8月日本国有鉄道公示第290号)等の関係諸公示をいう。
(用語の意義)第3条 この規則におけるおもな用語の意義は、次の通りとする。
(1)「財産」とは、国鉄の管理する土地又は建物及びそれらと一体として処理することを適当とする機械、工作物等をいう。
(2)「使用承認」とは、国鉄の事業の用に供している財産又は供するものと決定した財産を、その用途又は目的を妨げない限度で、他に貸し付けることをいう。
(3)「賃貸」とは、国鉄の事業の用に供している財産又は供するものと決定した財産以外の財産を賃貸借により他に貸し付けることをいう。
(4)「高架下」とは、高架線橋下の土地及び当該土地の地表と高架橋工作物の内壁に囲まれた空間をいう。
(5)「使用者」とは、財産の貸付を受けている者をいう。
第2章 手続
(出願)第4条 財産の貸付を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書及び国鉄が必要と認める図書を国鉄に提出するものとする。
(1)貸付を受けようとする財産の所在場所、名称及び数量
(2)貸付を受けようとする目的
(3)貸付を受けようとする期間
(4)自己の職業、住所及び氏名(法人の場合は、その名称及び代表者の氏名)
(5)出願の事由
(使用承認)第5条 国鉄は、財産の使用承認をするときは、出願者に対して使用承認書を交付する。
2 前項の使用承認は、使用承認書の交付を受けた者が、交付を受けた日から20日以内に当該承認書の全文を記載した請書を国鉄に提出しなければ、その効力を生じない。
(賃貸借契約)第6条 国鉄は、財産を賃貸するときは、別に定める場合を除き、公開競争契約の方式により契約の相手方を決定し、その者と賃貸借契約を締結する。
2 国鉄は、公開競争契約の方式によらないで契約の相手方を決定したときは、その者と20日以内に賃貸借契約を締結する。
(貸付の更新)第7条 貸付期間満了後も引き続き当該財産を使用しようとする者は、当該期間満了の日の2箇月前までに継続使用の願書を国鉄に提出し、使用承認を受け、又は賃貸借契約を締結しなければならない。
2 前項の使用承認又は賃貸借契約については、第5条又は前条第2項の規定の適用があるものとする。
第3章 貸付条件
第1節 貸付期間
(貸付期間)第8条 財産の使用承認期間は、次の通りとする。
| (1) 高架下の場合 | 3年以内 |
| (2) 堅固な建造物設置の目的のための土地の場合 | 10年以内 |
| (3)その他の場合 | 5年以内 |
2 財産の賃貸期間は、次の通りとする。
| (1)土地の場合 | 30年以内 |
| (2)建物の場合 | 10年以内 |
第2節 貸付の実施
(使用の開始)第9条 使用者は、国鉄から当該財産の引渡しを受けてからでなければ、使用を開始してはならない。
(使用上の指示)第10条 使用者は、財産の使用については、すベて国鉄の指示に従わなければならない。
(使用目的の制限)第11条 使用者は、国鉄の承認を受けないで、貸付財産を指定された目的以外の目的に供することができない。
(現状変更の制限)第12条 使用者は、国鉄の承認を受けないで、貸付財産の現状を変更し、又はこれに他の施設物を附加することができない。
2 使用者は、国鉄の承認を受けないで、貸付財産のうえに建物等を建設し、又はこれを移動し、若しくはこれの増改築等を行うことができない。
(使用者所有物件の使用制限)第13条 使用者は、国鉄の承認を受けないで、貸付財産の上に建造した建物等を他人に使用させることができない。
(譲渡及び転貸の制限)第14条 使用者は、国鉄の承認を受けないで、貸付財産を使用する権利を譲渡し、又は財産を転貸することができない。
(損害賠償)第15条 使用者は、その責に帰すべき事由により、貸付財産を滅失し、又はき損したときは、国鉄の指示するところにより、これによつて生じた損害を賠償しなければならない。
(特定行為の禁止)第16条 使用者は、高架下その他国鉄が指定した場所においては、ばく発し、若しくは発火しやすい物、その他国鉄が危険と認める物又は臭気を発する物を取り扱い、その他、他に迷惑を及ぼす行為をしてはならない。
(立入り調査)第17条 危険の予防その他国鉄において必要と認めた場合であつて、国鉄の係員が、貸付財産又は使用者の設置した施設内に立ち入り、貸付財産の状況、収容物件その他について調査しようとするときは、使用者は、正当な事由がないのに、その立入り及び調査を拒むことができない。
2 前項の規定により国鉄が調査を行うときは、使用者は、国鉄の調査に協力し、又は国鉄が財産管理の適正を期するため要求する資料を提出しなければならない。
(使用の標示)第18条 使用者は、使用者名、使用目的その他国鉄が必要と認める事項を明記した標示を貸付財産の見やすいところに掲出するものとする。
(その他の条件)第19条 国鉄は、第8条から前条までに掲げるものの外、財産の管理上特に必要と認める条件を附することがある。
第3節 貸付の解除
(貸付の解除及び変更)第20条 国鉄は、財産の使用承認をした場合において、その使用が当該財産の用途又は目的を妨げるに至つたときは、使用承認期間中であつても、当該財産の使用承認を取り消すことができる。
2 国鉄は、前項の規定による外、次の各号の1に該当するときは、財産の使用承認を取り消し、又は賃貸借契約を解除することができる。
(1)使用者が、破産の宣告を受けたとき。
(2)使用者が、禁治産又は準禁治産の宣告を受けたとき。
(3)貸付条件の違反その他使用者の不信行為が貸付関係を継続することができないものと国鉄が認めたとき。
3 国鉄は、その事業上必要があると認めたときは、貸付内容を変更することができる。
(注)国鉄は、財産を賃貸した場合において、その財産を国鉄の事業の用に供する必要が生じたときは、日本国有鉄道法(昭和23年法律第256号)第46条第1項の規定に従つて当該契約を解除することができる。
(違約金)第21条 国鉄は、前条第2項第3号に該当する事由により貸付を解除した場合は、使用者から当該使用料の1箇年分に相当する金額を違約金として徴収する。
(原状回復)第22条 使用者は、貸付が終了した場合は、使用者の負担において使用者が施設した物件を除却し、当該財産を原状に復して返還しなければならない。但し、国鉄において原状回復することが不必要又は不適当であると認めたときは、その措置について使用者に対して必要な指示をすることがある。
2 前項本文の場合であつて、使用者が原状回復を行わないときは、使用者の負担において国鉄がこれを代行することができる。
第4節 使用科
(使用料)第23条 使用者は、国鉄の定める使用料を国鉄に納入しなければならない。
2 前項の使用料は、別に定める基準により算定する。
(使用料の改訂)第24条 国鉄は、使用料が事情の変更により著しく適正を欠くと認めるときは、使用期間中であつても、これを改訂することがある。
(無償使用)第25条 次の各号の1に該当する貸付財産の使用料は、第23条第1項の規定にかかわらず、これを徴収しないことがある。
(1)道路、水路、公園その他公共の用に供するため貸し付けた土地及び高架下
(2)その設置が国鉄の業務上必要と認められる施設で、別に定めるものの用に供するため貸し付けた財産
(最低料金)第26条 使用料は、第23条第2項の規定による基準にかかわらず、貸付1件につき500円を下らないものとし、貸付期間1年以上にわたる場合は、1年ごとに500円を下らないものとする。但し、電柱の建植、鉄管・土管類の埋設等の場合における土地の使用又は最低料金を徴することが著しく適正を欠くと国鉄が認めたものについては、この限りでない。
(使用料の収受)第27条使用料は、別に定のある場合の外は、当該年度分を国鉄の指定する期日までに前納しなければならない。但し、次の各号の1に該当する場合は、この限りでない。
(1)使用者が、国又は公共団体であるとき。
(2)国鉄が、天災その他やむを得ない事由により、その指定する期日までに納入させることが困難と認めたとき。
2 前項本文の規定にかかわらず、使用期間が1箇年以上にわたるもの又は使用料日額3,000円以上のものについては、分割前納を認めることがある。
3 第1項本文の規定にかかわらず、年間使用料がきわめて少額なものの場合は、全貸付期間分の使用料を一括して前納させることがある。
(延滞償金の徴収)第28条使用者が、国鉄の指定する期日までに使用料を納入しないときは、国鉄は、その納入指定期日の翌日からこれを納入した日までの日数に応じ、日歩3銭の割合で延滞償金を徴収する。但し、国鉄が事情やむを得ないと認めたときは、この限りでない。
(使用料の返還)第29条 既収の使用料は、国鉄の都合で貸付財産を返還させたとき又は天災その他やむを得ない事由があると国鉄が認めたときは、当該財産返還の日の翌日以降の分又は国鉄が相当と認めた期間の分(第26条本文の規定による最低料金に相当する額を除く。)を使用者の還付請求書により返還する。
(保険証券の提出)第30条 国鉄は、建物を貸し付けた場合であつて、火災保険契約を締結させる必要があると認めたときは、使用者をしてその使用期間につき、国鉄を被保険者、使用者を保険契約者、当該建物を保険の目的とし、国鉄の指示する金額を保険金額とする火災保険契約を締結のうえ、当該保険証券を国鉄に寄託させることがある。
(保証)第31条 国鉄は、必要と認める場合は、使用者の債務の履行を確保するため、国鉄の指示するところにより、保証金を納付させ、又は保証金の納付とともに連帯保証をさせることがある。この場合納付した保証金には、利息をつけない。
(保証金の充当)第32条 国鉄は、前条の保証金を、第15条の損害賠償金、第21条の違約金、第22条第2項の代行費用、第23条の使用料及び第28条の延滞償金に充当することができる。
附則
1 この公示は、昭和32年4月1日から施行する。
2 この公示施行の際、現に国鉄から財産の貸付を受けているものについては、その貸付を更新するまでの間は、なお従前の取扱による。