日本国有鉄道公示第98号
駅設備営業用クレーン等使用規則を次のように定める。
昭和42年3月1日 日本国有鉄道総裁 石田 禮助
駅設備営業用クレーン等使用規則
(適用範囲)
第1条 日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の駅設備営業用クレーン等の荷主の使用については、法令その他別に定めのあるもののほか、この規則の定めるところによる。
(注) 法令その他別に定めのあるもののおもなものは、次のとおりである。
(1) 労働基準法(昭和22年法律第49号)
(2) 労働安全衛生規則(昭和22年労働省令第9号)
(3) ボイラ及び圧力容器安全規則(昭和34年労働省令第3号)
(4) クレーム等安全規則(昭和37年労働省令第16号)
(5) 貨物運賃料金後払規則(昭和31年5月日本国有鉄道公示第175号)
(用語の意義)
第2条 この規則における用語の意義は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 「駅設備営業用クレーン等」とは、駅に設備されているクレーン、デリツク、リフトトラツク、ホイスト、石炭カキヨセ機、コンベヤ等で、主として営業用貨物の積卸しに使用されるものをいう。
(2) 「荷主」とは、国鉄の運送に係る貨物の荷送人、荷受人又は通運事業者(沿岸荷役又は船内荷役を行なう港湾運送事業者を含む。)をいう。
(3) 「安全規則」とは、クレーン等安全規則をいう。
(4) 「承認証」とは、クレーン等運転者資格承認証をいう。
(クレーン等の使用)
第3条 荷主は、駅設備営業用クレーン等(以下「クレーン等」という。)を使用しようとするときは、そのつど、駅長の承諾をうけるものとし、使用を終つたときは、直ちにその旨を駅長に通知するものとする。
2 荷主は、クレーン等の使用、保守及び玉掛業務については、国鉄の指示に従うものとする。
(クレーン等の使用料金)
第4条 荷主は、クレーン等の使用を終つた場合、国鉄の定める使用料金を支払うものとする。ただし、後払の特約がある者は、後払とすることができる。
2 前項の料金率は、クレーン等の設備駅に公示するものとし、その料金の計算方は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 使用料金は、一継続使用時間(駅構内の移動は、使用時間に含める。)ごとに計算する。ただし、使用開始後、荷主の責めによらない事由によつて使用を中止したときは、中止中の時間を除き、前後の時間を通算する。
(2) 蒸気を動力の一部又は全部とするものについては、その最低料金は1時間分として計算する。
(3) 使用方法によつて能力を異にするクレーン等で、つかみとフツクとを兼用するもの(水陸連絡用のものを除く。)にあつては、つかみを使用する場合であつてもフックの能力による料金を、その他のものにあつては、実際に使用する場合の能力による料金を計算する。
(4) コンベヤ(可搬式)は、2台以上併結して使用する場合であつても、1台分の使用料金を収受する。
(5) 料金を計算する場合において、計算の最後に生じた10円未満のは数は、10円に切り上げる。
(クレーン等の運転)
第5条 クレーン等の運転は、国鉄の別に定めるクレーン等を除いて、荷主が行なうものとする。
2 前項に規定する国鉄が別に定めるクレーン等は、設備駅に公示する。
(玉掛業務及び玉掛用具)
第6条 クレーン等の運転に附随して行なう玉掛業務は、荷主が行なうものとする。
2 前項に規定する玉掛業務に必要な用具は、荷主が準備するものとする。
(運転者の資格)
第7条 第5条第1項の規定によりクレーン等(手動のクレーン等を除く。)の運転を行なう荷主は、運転者の資格について別表第1の申請書を国鉄に提出し、その承認をうけなければならない。
2 荷主は、安全規則によるクレーン運転士免許、デリック運転士免許、ボイラ及び圧力容器安全規則によるボイラ技士免許又は道路交通法(昭和35年法律第105号)による運転免許が必要なクレーン等に対する運転者の資格承認申請にあたつては、前項の申請書にそれぞれの免許証の写しを添附するものとする。
(承認証の交付)
第8条 国鉄は、前条の申請書の提出をうけたときは、運転を行なう者に対して国鉄の別に定めるところにより審査を行ない、適格と認めたときに限り、別表第2の承認証を交付する。
(承認証の有効期間)
第9条 承認証の有効期間は、承認証発行の日から起算して5年とし、当該事業年度の末日をもつて打ち切る。
(承認証の更新)
第10条 承認証の有効期間の更新をうけようとする荷主は、当該承認証の有効期間が満了する日の1箇月前までに、別表第3の申請書を国鉄に提出しなければならない。
2 前項の申請に対する承認証の交付については、第8条の規定を準用する。
(承認証の再交付)
第11条 承認証の交付をうけた荷主が、その承認証を亡失し、又は、損傷したときは、直ちに、国鉄に届け出るとともに、その再交付をうけることができる。
2 前項の規定により再交付の申請をしようとする荷主は、別表第4の申請書を国鉄に提出しなければならない。
(承認の取消し)
第12条 国鉄は、承認証を有する荷主が、次の各号の1に該当する場合は、その承認を取り消すものとする。
(1) この規則に違反したとき
(2) 重大な事故を発生させたとき
(3) クレーン等の運転、保守その他に関し、国鉄の指示に従わないとき
(4) 承認証を他人に貸与したとき
(5) 運転者に心身の故障があるとき
(6) 荷主と運転者との雇用関係がなくなつたとき
(7) その他必要と認めたとき
2 運転者の資格の承認をうけた荷主が、前項の規定により承認の取消しをうけた場合は、遅滞なく承認証を国鉄に返納しなければならない。
(承認証の携帯)
第13条 クレーン等の運転者は、運転の場合、常に承認証を携帯していなければならない。
(運転開始前の点検)
第14条 荷主は、運転を開始する前に給油の状態、クレーン等の異常の有無等について点検を行なわなければならない。この場合、安全規則の適用をうけるクレーン等については、特に次の各号に掲げる事項について点検するものとする。
(1) 巻過防止装置、ブレーキ、クラツチ及びコントローラの機能
(2) ランウエイの上及びトロリが横行するレールの状態
(3) ワイヤロープが通つている箇所の状態
(運転の合図)
第15条 同一のクレーン等を使用して2人以上の者が作業する場合で、運転の合図を行なう必要があるときは、荷主がこれを行なう者を指名し、指名された者は、運転開始前に運転関係者と合図について打合せを行なわなければならない。
(異常時等の取扱方)
第16条 荷主は、強風又は暴風時のクレーン等(屋外設備のものに限る。)の取扱いについては、次の各号に定めるところによるものとする。
(1) 風速毎秒12メートル以下の場合及び特に国鉄の指定するクレーン等にあつては、風速毎秒17メートル以下の場合は、周囲の状況に注意し、十分に警戒して運転を行なうこと。
(2) 前号以外の場合は、運転を行なつてはならない。
2 荷主は、大雨、大雪等の悪天候のため、運転に危険が予想されるときは、駅長に指示をうけなければならない。
(運転上の注意事項)
第17条 荷主は、クレーン等の運転について、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 貨物をつつたままで、運転する位置を離れないこと。
(2) 所定能力をこえた貨物を取り扱わないこと。
(3) 運転にあたつて、貨物、車両等に損傷を与え、又は人畜に危害を及ぼさないよう周囲の状況に注意すること。
(4) 他の荷主の使用を妨げないよう円滑に運転すること。
(5) 運転中は、常にクレーン等の状態に注意し、不良の点を発見したときは、直ちに運転を中止し、応急措置をするほかは、無断で処置をしないこと。
(6) クレーン等に附属する器具類は、使用後所定の場所に整理保管し、散逸しないようにすること。
(クレーン等の故障又は事故)
第18条 荷主は、第14条に規定する点検の結果、異常を発見した場合は、直ちに、その旨を駅長に連絡し、その指示をうけなければならない。
2 荷主は、クレーン等の運転中に事故が生じ、又は運転によつて事故を発生させたときは、直ちに運転を中止して駅長に連絡し、その指示をうけなければならない。
3 荷主は、クレーン等の運転中に安全規則第232条に規定する事故が発生した場合は、同条に規定する事故報告を行なうとともに、その写しを駅長に提出するものとする。
(運転の代行)
第19条 承認証を有しない荷主は、駅長の承諾を得て、他の承認証を有する者にクレーン等の運転をさせることができる。
(損害の負担)
第20条 クレーン等の使用に伴い発生した損害は、荷主が負担するものとする。ただし、国鉄の故意又は重過失によつて生じた損害については、そのつどの協議によつて、国鉄は、その全部又は一部を負担する。
(使用の停止)
第21条 国鉄は、業務の運営上その他必要のあるときは、クレーン等の使用を停止させることがある。
(荷主でない者の使用)
第22条 荷主でない者がクレーン等を使用しようとするときは、別表第5の申請書を国鉄に提出し、その承認をうけなければならない。
2 国鉄は、前項の承認を行なう場合は、別表第6の承認書を申請者に交付する。
3 前項の規定により国鉄の承認をうけた者のクレーン等の使用については、前各条の規定を準用する。ただし、料金率については、第4条第2項の規定にかかわらず、別に国鉄の定めるところによるものとし、承認証の有効期間は、第9条の規定にかかわらず、発行の日から1年とし、当該事業年度の末日をもつて打ち切る。
附 則
1 この公示は、昭和42年4月1日から施行する。
2 駅設備貨物積卸機操縦心得(昭和29年3月日本国有鉄道公示第79号)は、昭和42年3月31日限り廃止する。
3 この公示施行の際、前項の駅設備貨物積卸機操縦心得の定めるところにより、現に承認してあるクレーン運転者資格承認及びクレーン等使用承認は、この公示の定めるところにより承認したものとみなす。
(別表省略。ただし、昭和42年3月1日鉄道公報号外参照)
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